平成31年(令和元年・2019年)予備試験民事訴訟法答案

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初めまして、武藤遼といいます。 まずは自己紹介をさせていただきます。 僕は今、司法試験の受験指導をしています。大学4年生の時からこの仕事をやっています。 武藤流というブランドで教えてます。僕は今25歳なので、3年近く受験指導をしていることに[…]

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2019年民事訴訟法問題

答案

第1 設問1について

1 X1とX2は、甲土地を共同で購入したとして、Yを被告として本件訴えを提起している。しかし、X1はYに訴状が送達される前に死亡してしまった。そうすると、本件訴えが固有必要的共同訴訟に当たるとすれば、本件訴えにおいてX1単独では当事者適格が認められず、X2は本件訴えを提起できないのではないか。そこで、本件訴えが固有必要的共同訴訟に当たるかを検討する。

⑴  この点について、民事訴訟は実体権の実現・処分のプロセスである以上、当事者適格の選別にあたっても実体法条の管理処分権の帰属態様が基準とすべきである。もっとも、当事者適格は訴訟追行権という訴訟上の権能にも関わる問題でもある以上、その決定については、紛争解決の実効性、訴訟経済等の諸要請との関係における訴訟政策的判断が不可欠である。

そこで、実体法上の管理処分権の帰属態様を基準としつつ、訴訟政策的観点からの調整を図り、当事者適格の有無を判断すべきであると解する。

⑵ これを本件についてみる。本件土地はX1とX2が共同で購入し、共有という形で所有しているところ、共有権は共有者全員の有する1個の所有権であるから、甲土地の管理処分権は共有者全員に帰属する。また、共有者の手続保障の観点からも、共有者全員との関係で権利関係を合一に確定すべきである。

⑶ したがって、本件訴えは固有必要的共同訴訟であり、X2単独では、当事者適格は原則として認められない。

2 そうだとすると、X1が死亡した本件において、X2はいかなる対応を取るべきか。

⑴ まず、訴状が被告に送達されて初めて二当事者対立構造が生じるから、被告に訴状が送達された時点で訴訟係属が生じると解する。そうすると、訴状が送達する前にX1が死亡した本件では、二当事者対立構造が生じておらず、訴訟係属が生じていない。

⑵ もっとも、X1が死亡したのは、本件訴えが提起された後であり、X2は弁護士との打ち合わせを行って、訴訟を提起するなど、X1が死亡していた時点では潜在的な訴訟係属が生じていたと観念できる。この場合には、当然承継の趣旨(124条1項1号)を類推適用して、相続人による承継が認められるべきである。

⑶ そこで、X2としては、X1を相続したAが新たな訴訟当事者であるとして、受継の申し立て(126条)を行うという対応をとるべきである。

第2 設問2について

1 前訴判決の確定により、確定判決の判断内容の後訴における通用力ないし拘束力たる既判力が生じる。既判力の正当化根拠は手続保障の充足に基づく自己責任にあるところ、手続保障の充足されていない第三者にはかかる正当化根拠が妥当しないし、当事者間に既判力を認めれば紛争の解決として十分であることから、既判力は原則として当事者にのみ及び(115条1項1号)、第三者には及ばない。したがって、前訴の当事者でないZに対しては、前訴既判力は生じないのが原則である。

2 しかし、Bは、甲土地について処分禁止の仮処分がなされていないことを奇貨として強制執行を免れる目的で、息子であるZと通謀し、虚偽の所有権移転登記手続を行なっており、このような通謀行為が認められては判決による紛争の一回的解決という既判力の制度目的を達成することができない。そのため、前訴既判力をZに対して及ぼすことができないか。

⑴ Zは、Bのために訴訟関係人となっているわけではなく(同項2号)、所有権移転登記手続も前訴の口頭弁論終結前に行われている(同項3号)。そして、Zは登記を有しているわけで、甲土地を所持しているわけではない(同項4号)。そのため、これらの規定を直接適用することはできない。

⑵ もっとも、Zは本件で争われている甲土地の所有権移転登記を有しており、同項4号を類推適用することができないか。

ア  この点について、同号の趣旨は、訴訟物が特定の給付請求権である場合、目的物たる不動産・動産の占有につき自己固有の経済的利益を持たず、専ら他人のために所持しているといえる場合、占有者の手続保障を考慮する必要がないため、既判力の拡張を認めて紛争の一回的解決を図る点にある。そのため、不動産の登記についても、自らに名義が存在することにつき自己固有の経済的利益を持たない場合には同号の趣旨が妥当するとして、同号が類推適用されるべきである。

イ これを本件についてみる。Bは、甲土地について処分禁止の仮処分がなされていないことを奇貨として強制執行を免れる目的で、息子であるZと通謀し、虚偽の所有権移転登記手続を行なっている。Zは甲土地が強制執行を免れるという専らBの経済的利益のために所有権移転登記を有しているのであり、所有権移転登記を有することについてZ固有の経済的利益は存在しない。

ウ したがって、同号が類推適用される。

⑶ よって、本件ではZに対しても前訴の既判力が及ぶ。前訴と後訴は訴訟物が同一であるため、前訴で確定した売買契約に基づく甲土地についての所有権移転登記請求権の存在について既判力が後訴において作用する。そのため、かかる請求権の存在と矛盾するZの主張は排斥されるべきである。

3 X1らは以上のような理論構成をすべきである。

以上

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