平成31年(令和元年・2019年)予備試験民法答案

武藤遼のプロフィール

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初めまして、武藤遼といいます。 まずは自己紹介をさせていただきます。 僕は今、司法試験の受験指導をしています。大学4年生の時からこの仕事をやっています。 武藤流というブランドで教えてます。僕は今25歳なので、3年近く受験指導をしていることに[…]

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2019年民法問題

答案

第1 設問1について

1 Dは本件土地の所有権(206条)に基づき、Cに対し、本件建物を収去して本件土地を明け渡すことを求めているところ、Dの請求が認められるためには、Dが本件土地の所有権を有していること、本件土地上に本件建物が存在すること、本件建物をCが所有していることが認められることが必要である。このうち、本件土地上に本件建物が存在することは明らかであり、本件建物についてもCを所有者とする所有権保存の登記がなされている。

2 本件土地の所有権について、Cは、Aから贈与(549条)を受けたことにより自らが本件土地の所有権を有していると反論している。そこで、本件土地の所有権について検討する。

⑴ 平成20年4月1日、AからCへ本件土地を贈与されているが、Cは本件土地の所有権移転登記を経ていない。そして、Aが死亡して、BがAを相続したことにより、Aの権利義務は包括的にBに承継されているが(896条)、かかる相続によりBは本件土地の所有権を取得したことになる。平成28年6月1日、Bは本件土地について抵当権を設定しているところ、上記事情からすれば抵当権を設定した時点でBは本件土地の所有者であったから上記抵当権の設定は有効である。

⑵ そして、本件土地が競売され、Dが本件土地を買い受けたことにより、Dは本件土地の所有権を取得する。そうすると、CとDは二重譲渡類似の関係になり、所有権の帰属は登記の有無によって決せられる(177条)。平成29年12月1日、本件土地についてDを所有者とする所有権移転登記がなされているが、Cは本件土地について贈与を原因とする所有権移転登記を備えていない。そのため、Dは本件土地の所有権を確定的に取得し、登記のないCは贈与による所有権取得をDに対し対抗することができない。

⑶ したがって、Dに本件土地の所有権が認められる。

3 もっとも、Cは本件土地の競売の原因となった抵当権が設定される前にAから本件土地を贈与されたのであるから、Dが本件土地の所有権を備えたことにより、本件建物について法定地上権(388条)が成立し、それによりCは本件土地の占有権原を有していると反論している。そのためかかる反論について検討する。

⑴ Cは贈与により本件土地の所有権を取得したのち、同土地上に本件建物を建築し居住している。しかし、Cは本件土地の所有権登記をしていない。これについて、法定地上権の趣旨は、土地と建物が同一人が所有していたことにより、その土地について借地権を設定できなかった建物所有者を保護することにあるから、「同一の所有者に属する」というためには土地についての登記は不要であると解する。そのため、「土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合」といえる。

⑵  Bは本件土地に抵当権を設定し、その後同抵当権が実行され、競売によってDが本件土地を買い受けている。これにより、Dが本件土地の所有者となり、本件土地と本件建物について「所有者を異にするに至った」といえる。

⑶ そのため、本件建物について法定地上権が成立する。したがって、Cの反論は認められる。

4 よって、Cは適法な占有権原を有しているため、Dの請求は認められない。

第2 設問2

1 Cは、Dに対し、本件土地の所有権に基づき抵当権設定登記の抹消登記請求をすることが考えられる。かかる請求が認められるためには、Cが本件土地の所有権を有し、D名義の抵当権設定登記があることが必要であるところ、抵当権設定登記の存在については問題なく認められる。

2 次に、Cに本件土地の所有権が認められるかを検討する。

⑴ CはAから本件土地の贈与を受けているが、登記を備えていない。そのため、Cは、Aからの承継取得をDに対し対抗できない(177条)。

⑵ そこで、Cは、本件土地を時効により取得したと主張することが考えられる(162条2項)。

ア Cは平成20年8月21日に本件建物に居住することによって本件土地の占有を開始し、平成30年8月21日当時、本件建物に居住していた。両時点での占有が認められることにより(186条2項)、Cは「十年間」本件土地を「占有」していたといえる。

イ 占有者の「所有の意思」、「平穏」及び「公然」については186条1項によって推定されるところ、本件でかかる推定を覆す事情はない。また、占有者の無過失についても、188条によって推定される。

ウ したがって、本件土地について取得時効が成立する。

⑶ そして、時効による所有権の取得については、永続した事実状態の尊重という時効制度の趣旨と公示に夜取引安全の確保という登記制度の趣旨の調和の観点から、時効完成前の第三者に対しては、時効による所有権の取得を登記なくして対抗できると解する。DはCによる本件土地の時効取得完成前に抵当権の設定を受けているから、CはD に対して登記なくして時効による本件土地の所有権取得を対抗できる。

3 以上より、C の請求は認められる。

以上

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